大河ドラマの世界を探訪できる歴史のまち  

岩手県一関 清野 勉さん(千代田2丁目)

    みちのく岩手県の南の玄関口に位置する一関市が私のふるさとです。

 西には岩手・秋田・宮城3県にまたがる須川岳(栗駒山)と須川温泉があり、その手前には景勝地、厳美渓があります。また周辺には、北上川をはさんで東に猊鼻渓があり、北隣は藤原三代で有名な平泉と、岩手県南部の観光と歴史の中心に位置する城下町です。

 私のおすすめは猊鼻渓です。一関市の隣町にあるのですが、垂直に切り立つ岸壁が約2qにわたり、春の藤、秋の紅葉時は一段と美しさを増します。船頭歌を聞きながらの川下りも楽しめます。

 歴史的には、古のアテルイと坂上田村麻呂の活躍から源氏と阿部氏の戦い、そして義経の悲劇、また『忠臣蔵』の浅野内匠頭さんを預かった田村右京太夫さんは一関三万石の殿様だったなどなど、大河ドラマ級の世界が広がります。

 現在は岩手県の一部ですが、古くは伊達藩の領域だったため、言葉や風習、食べ物など、文化面では南隣の宮城県とよく似ています。

 食べ物では、なんといっても「ずんだ餅」です。「ずんだ」は豆打が変化した言葉で、枝豆をすりつぶし、砂糖で味付けしたずんだを餅にからめて食べます。

 また、全国的には「すいとん」と呼ばれている「はっと」もたいへんおいしいです。一般的なすいとんと異なり、うどんを作るときと同じ程度に練った小麦粉を、子どもの耳たぶほどの大きさに指で広げてちぎって鍋に入れます。具だくさんで、昔はぜいたく食で御法度になったことから、「はっと」と呼ばれるようになったそうです。

 一関市までは、新幹線で東京から2時間少々、車でも高速道を使って本庄から5時間ほどで行くことができます。観光と温泉、そして歴史探訪にぜひお出かけください。歴史探訪にぜひお出かけください。